脳に宿る意識の謎 正体不明の“私”への手がかり

2019年12月09日
ドキュメンタリー・カルチャー・教養
脳に宿る意識の謎 正体不明の“私”への手がかり

サイエンスやテクノロジーに関わる新しい動向や注目の研究を
「深く・わかりやすく・面白く」伝える科学ドキュメンタリー


主な取材先
上田泰己さん(東京大学大学院 システム生物学)
大泉匡史さん(ARAYA 理論神経科学)
小島比呂志さん(玉川大学大学院 神経生理学)
藤田一郎さん(大阪大学大学院 認知脳科学)
前野隆司さん(慶應義塾大学大学院 ロボティクス)

内容
物質としての脳が、どのように機能すれば、きわめて主観的な「意識」という体験が生まれるのか?
有史以来、多くの自然科学者が取り組んできた大きな謎です。
脳内の神経細胞ひとつひとつの働きを見ればそれがわかるのか?
はたまた、細胞同士が情報をやりとりすることで意識が生まれるのか?
そもそも、私たちの「意識」は本当に心のすべてを制御しているのか?
脳内で起きている現象を可視化する画期的な技術の取材しなどを通して、正体不明の“私の意識”に迫ります。

◆全脳透明化!
脳に宿る意識の謎を解き明かすには、脳内をつぶさに観察することが重要だ。
しかし脳は脂質やたんぱく質、水分を多く含むため不透明な物質で、特に脳の深い部分の細胞についてはわからないことが多かった。
東京大学の上田教授は、長年トライ&エラーが繰り返され実現されなかった脳の完全な透明化技術の開発に成功し、「意識」研究の扉が開いた。

◆意識は定量化できるのか?
意識は主観的な体験だというが、千差万別な個人の主観的体験を、科学で扱えるものにしないといけない。
ARAYAの大泉さんは、脳内の神経細胞同士が密に情報をやりとりをしていることに注目し、その情報の統合量を測ることで、「意識」の状態を観察できるのではと考えた。その数式とは?

◆さまざまな魅力的仮説
従来の「意識」モデルは、意識が司令塔のように君臨し、考えることや意思決定すること、そして感情や記憶まで制御していると考えられてきました。
ですが慶応大学の前野教授は、実はすべては「無意識」が決めており、意識はその結果をエピソードとして記憶するに過ぎないという仮説を立てています。
一方でまた、脳神経細胞の細胞骨格で未知の量子力学的なプロセスが起こり、そこに意識が生まれるという量子脳理論という壮大な仮説をイギリスの理論物理学者ロジャー・ペンローズが立てている。

◆視覚と意識の秘密のコード
大阪大学の藤田教授は視覚に注目した脳内神経回路の研究をしている。
意識が情報の統合状態であるなら、その情報の大半を占める視覚刺激によって、視覚野の神経細胞がどのような活動をしているかを調べようというものだ。
細胞同士のネットワークの機能がわかってくれば、意識の謎に迫る大きな手がかりが得られることになる。


WAC(C)



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ジェニー
Posted by ジェニー