ブラザーズ・クエイ 短編作品集

2019年07月22日
アニメ・CGアニメ
ブラザーズ・クエイ短編作品集

ダークなビジュアル・イメージで世界中の映像ファン、アート・ファンを虜にする、一卵性双生児のアニメーション作家ブラザーズ・クエイによる短編作品集。
人形や機械、幻想的な映像美と狂気を奏でる音楽、エッセンスが凝縮された短編で独自の世界観に酔いしれる。


監督
スティーヴン・クエイ
ティモシー・クエイ

【ブラザーズ・クエイ】
1947年、アメリカのフィラデルフィア近郊のリスタウン生まれ。スティーブとティモシーの双子の兄弟。65年から69年にかけてフィラデルフィア芸術大学で学び、その後69年から72年にロンドンの王立美術学校で修士号を取得。在学中に3本の短編アニメーションを製作した。
アメリカに戻り、フリーのイラストレーターとしてブックデザインを手がける。活動を始めるが、二次元のグラフィックの世界にフラストレーションを感じるようになり、徐々にミニチュアの制作に惹かれていき、1978年に全米芸術基金を付与され、その後、パペット技術のリサーチを行うために、英国、ベルギー、オランダを旅した。ロンドン滞在中、王立美術大学時代の同窓生で当時British Film Institute(BFI)に勤めていたキース・グリフィスから、“実験”映画のための資金援助を申請してはどうかと提案される。すぐに短編パペット・アニメーション作品のシナリオを起草した二人は、そのままオランダへ向かう。その数ヵ月後、BFIから補助金が付与されたという電報を受け取り、ロンドンへ。2週間の予定でパリを訪れたのに結局25年間暮らすことになったジェームズ・ジョイス同様、その映画製作のために9か月だけロンドンに滞在する予定だった二人もその後25年間ロンドンで暮らすことになった。1本の映画を作る予定が2作目、3作目、4作目と続いていったのだ。その頃、プロデューサーのキース・グリフィスと共に、“KONINCK”という小さな会社を立ち上げ、その後24年にわたって、さまざまなパペット・アニメーション映画をつくってきた。
また、映画以外では、ロンドンおよびヨーロッパ各地で舞台劇、オペラ、バレエの背景のデザインを手がけている。ヤン・シュヴァンクマイエルを日本に紹介し、人形アニメブームの火付け役としても知られる。

内容
「人工の夜景」 1979年 20分
衝撃の処女作。地下室の男は窓から外を覗き夜の街へ妄想を深く沈潜させていく。人形アニメに世界が注目した伝説作。

「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」 1984年 14分
チェコの人形アニメ作家シュヴァンクマイエルが弟子(クエイ)に知識と技術を伝授する。

「ギルガメッシュ/小さなほうき」 1985年 11分
古代の暴君ギルガメッシュをクエイ兄弟の独自の解釈で描いた作品。三輪車を乗り回し怪物エンキドゥを喜々として追い回す不思議な御伽噺。

「ストリート・オブ・クロコダイル」 1986年 21分
踊るネジ、内臓を持つ時計、『アンダルシアの犬』を思わせる斜め縞の箱、モノトーンの不意に色彩が飛び出す仕立て屋が次々と登場する。

「失われた解剖模型のリハーサル」 1987年 14分
上記作のラストを引き継ぐように始まる。拒食症のようなアルチンボルド風の人形が頭髪を弦音とともに引きちぎる。

「スティル・ナハトI」 1988年 1分
“ヒズ・ネイム・イズ・アライブ”のPVとして制作されたシリーズ作品。

「櫛-夢博物館から」 1990年 18分
眠れる美女がある寝苦しい夜にみた夢の中で無意識の層でパペット人形が外を窺う。女が目覚め櫛で髪を梳くと世界は再び闇へ…。

「アナモルフォーシス」 1991年 14分
ルネッサンス期に開発された絵画技法。16世紀のだまし絵を人形たちが研究する。

「スティル・ナハトII」 1992年 3分
ラケットに描かれた二つの眼。跳ね回る白い球。それを追いかけるうさぎ。呼吸に合わせ上下するかかと。その少女はアリス。

『スティル・ナハトIII』 1993年 4分
ウィーンの森に冷たい銃口、動き回るゼンマイ仕掛けのひび割れた手。銃声が響き渡り、弾丸が森を駆け抜けてゆき…。

「スティル・ナハトIV」 1994年 4分
秤の上で上下する少女アリス。指先から血がポタリ。下から覗くうさぎ。アリスの膝を伝わり滴り落ちる。鍵穴から覗く眼、卵を狙う亡霊…。

「イン・アブセンティア」 2000年 20分
現代音楽作曲家シュトックハウゼンとの共同作品。ある療養所にいた女性についての実話をもとにクエイ兄弟がアレンジ。

「ファントム・ミュージアム」 2003年 12分
サー・ヘンリー・ウエルカムの秘宝的医学コレクションを亡霊が華麗な手つきで案内する。


All films distributed under license from British Film Institute and Koninck Studios.


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ジェニー
Posted by ジェニー